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2016年7月11日にデビューしたばかりのドール着ぐるみ初のファッションモデル、橋本ルル。髪も目も身長までも変幻自在に変化できる唯一無二の存在。
マネキンよりも柔らかく、人間よりも無機質なドールファッションモデル。デビューと同時にTwitterで動画が公開され、瞬く間に計20,000RTされ、翌日には5,000フォロワーを記録するなど反応は凄まじく、各方面から注目されている原宿系ファッションモデルといえる。
デビューしたばかりの橋本ルルちゃんとプロデューサーのmillnaさんにインタビューさせて頂きました。

 

(本記事の初出はMOSHI MOSHI NIPPON様です)
MOSHI MOSHI NIPPONインタビュー:ドール着ぐるみ初のファッションモデル”橋本ルル”プロデューサーインタビュー「”可愛く生きたい”の極致」


         ―橋本ルルちゃんは人間よりも”人形”に近いモデルということで、喋らないため、プロデューサーのmillnaさんにお話を伺ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

millnaです、どうぞよろしくお願いいたします。こちらがドールモデルの橋本ルルちゃんです。

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―橋本ルルちゃんのプロフィールを教えて下さい。

原宿発、初のドール着ぐるみ・ファッションモデルです。

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―現在どのような活動をされているのでしょうか?

まだ7月11日にデビューしたばかりですが、早速ラフォーレ原宿でのファンイベント「luluroom」を2回開催しました。

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―今年の7月にラフォーレ原宿で行われた「hakuchum tokyo」さんの期間限定ポップアップショップでの来店イベントですね。その時にルルちゃんが一般の方に目に触れたとおもうのですが、皆さんはどのような反応をされたのでしょうか?

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予想以上の大好評で驚きました。通りすがりの女の子連れさんから可愛い~と歓声が上がったり、海外旅行の家族連れのお子さんが駆け寄ってらしたり。特に二回目はすごい行列になりました。

八年人形作家をしてきた立場としてどうしても一般社会から「人形」への反応はよく知っていたので当初不安もあったのですが、昔と比べると「人形」に対するイメージ自体がかなり肯定的になってきたのかなとも感じました。ブライス人形の大ブームがあったからかな?

自分たちの作り上げた「可愛い」で老若男女や国を越えて喜んでもらえるのは嬉しかったですね。

 

―初めてのイベントが原宿というのはやはり狙ってのことでしょうか。

もちろんです。

 

―メイクやヘアスタイルは原宿系のトレンドを積極的に取り入れておられるということですが

私の個人的な好みとトレンドとをMIXしています。赤シャドウなど要素での流行ももちろん、「現代風に洗練されたリバイバル」が今の大きなトレンドの一つだと思うので、太めの眉や切れ長な跳ね上げライン・赤シャドウなど欲望のままに取り入れながらもグラデーションリップでアレンジ感を出し、全体は日本の伝統的なカラーでまとめてみました。これから撮影ごとにお洋服に合わせてメイクやウィッグが変わったりもするかもしれません。造形のカスタムは完全に好みです。絵の立体化。

 

―なぜ「原宿系」を選んだのでしょうか?原宿を歩いていると最先端を行っているように感じることがあるんですが、マジョリティか、という観点から見ると外れているというか

特殊なカルチャーですよね。私自身散々思い焦がれた土地なんですが。『原宿』自体が「フツーはこうしなきゃダメ」とか「ここまでしか無理でしょ」とか「モテるためにはこうしなきゃ」とかを二の次に置いた、自分のための「可愛い」の世界だと思うんですよ。自由そのものの東京をさらに煮詰めた個性の世界。いわゆるオフィスや他の土地ならそれはフツーどうなんだってファッションでも、ここだったら可愛いものは可愛いじゃん、って受け取ってくれる下地がある。つまり私の思う原宿は、普通のレベルを飛び越えた、普通じゃない「可愛く生きたい」の極致なんです。それが橋本ルルちゃんのスピリットに通じるので、原宿デビューは絶対と決めていました。

 

―「可愛い」を突き詰めるという点で、ですね

そうです。

 

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―Twitterに上がっている画像を拝見しましたが、hakuchum tokyoさんのお洋服を着ておられる事が多いですが、専属モデルなのでしょうか?

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特に専属モデルという訳ではありません。活動デビューがhakuchum tokyoラフォーレ原宿イベントでのモデルだったのでこの期間統一していました。既に小物でコーディネートへ加えていたりするのですが、Emily Temple cuteやPINK HOUSE、MILK、RoseMarie seoir、Innocent World、Leur Getterのブランドさんが個人的に大好きなのと、他にも原宿系・ガーリーカジュアル・ロリィタ・クラシカル・レトロ系統のお洋服を結構自由に愛好しているので、これから色々なファッションを着こなしたルルちゃんの可愛い姿をお目に掛けられたらいいなと思います。

 

―どのような経緯でデビューされたのでしょうか。

元々ずっと美少女着ぐるみの製作を手掛けているチーム「ぬこパン」さんとの公式コラボレーション製作なんですよね。経緯としては、そもそも私が2年前にぬこパンさんのほぼ最初期のドールヘッド型着ぐるみと出会っていまして、これこそがずっと求めていた理想だ!!ととても鮮烈に覚えていたんですよね。そしてご縁とは不思議なもので、今年に入ってからブランドとして出店させて頂いたイベントの打ち上げでご挨拶した方がたまたまぬこパンさん側の方で。思わずあの時の衝撃と熱意を語ったところ、ちょうどファッションブランドと全く新しいアプローチをしてみたいと考えていたところだった、一緒に何かしませんか、と。そこからはトントン拍子です。原宿発の「ドール・ファッションモデル」を生み出そう、世界最強のかわいいを作りましょう!と。

 

―ドール着ぐるみ初のファッションモデルということですが、既存のファッションモデルさんとはどのような部分が違うのでしょうか?人形なのでしょうか、人間なのでしょうか?

やはり”ドール”ファッションモデルという点です。人形か人間か、というより”橋本ルル”というキャラクターだと思って頂ければ。人形になりたかった女の子です。

 

―「人形のようになりたい」。この表現はドール愛好家だけではなく、女性全般の願望に近いものだと思うのですが

「人形のような」という表現はガーリー系のファッション雑誌などによく出てきますよね。ドールメイク、お人形さんみたいなワンピース、って形で。よくある憧れの可愛い存在、の単なる代表的な例えの一つです。でもそれが「人形になりたい」になってくると、もう「モデルになりたい」とか「可愛いあの子みたいになりたい」とはちょっと種類の違う願望だと思うんですよ。可愛くなりたいって願望の極致だけど、極致すぎて、絶対叶うわけがなかった領域。だから「人形になりたい」だけは、どうしようもなく『絶対叶わない、叶うわけがない』って諦めを前提にして放たれるものだった。

 

―「人形になりたい」は可愛さを突き詰めた答えというか…

そうなんです。でも、それを「橋本ルル」が現実にした。

 

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―プロデューサーは元々ドールがお好きでドールにお詳しいのでしょうか。ドーラーとしての活動はされておられたんでしょうか?

球体関節人形作家を八年していました。当初廃れない美に憧れてです。実は恐縮なのですがドーラーの経験はありません。先述のぬこパンさんとも偶然ドールイベントに出展されていたために出会うことができました。後で伺いましたが、ぬこパンさんにとってもドールイベントへの出展は挑戦だったようです。

 

―ルルちゃんを人形側へと近づけている球体関節の部分はタブロヲの上野航さんとコラボされたと伺いましたが。

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元々個人的に上野さんの「球体関節ストッキング」を発売当初からずっとリピートで愛用しておりまして、お会いしたこともあったんですね。本物の圧倒的な美しさ・斬新な発想も勿論、さらにテーマとしても「コスプレ」や「ただ奇抜な服」ではなく明白に「リアルクローズ」へ軸を置いた表現者であることからも上野さんに手掛けて頂きたく、ぬこパンさんとのコラボレーションが決まった地点でお伺いすることも決めていました。長らく憧れでもありましたので、OK頂けたときは本当に嬉しかったです。

 

―フルカスタム、フルチェンジ可能なファッションモデルというのは人間のモデルを超えてしまうのでは…と感じてしまうのですが

 

それはないと思います。人間のモデルにしかできない仕事、人形にしかできない仕事があるので。むしろ、できる表現の幅が広がったのではないかと思います。例えば、人間にしかできない表現の一つが「呼吸感」です。人間をどれほど完璧にメイクアップしても人間としての呼吸感は残るので、カジュアル感を強く押し出す撮影であれば人間のモデルが有利になると思います。逆に、例えば「可愛くなりたい」のきらめきや、完璧な美、アーティスティックな表現を望む撮影などでは人形のモデルがこれまでになかった全く新しい表現を開拓するのではないでしょうか。ウィッグやカラコンを着けた状態で自然になるよう顔立ちやメイクが仕上がっているので人間では難しいカラーへも自由に変えられますし、身長やプロポーションなどもシュチュエーションに合わせて変えられるようにし、あえて縛らないことにしています。人間の枠にとらわれない自由な表現ができると思います。

 

-(ルルちゃんは)人形よりの存在ですものね

そうなんです。でも、マネキンに着せるのとは違った表現ができるので。

 

-硬さがないなと思って。柔らかさがありつつも…

そうなんです。マネキンに着せるよりも実際に人が着たときのシルエットを極めてイメージしやすいけれど、人間よりも無機質。

 

―身長の違うルルちゃん達の写真を拝見したのですが、違和感なくいずれもルルちゃんだなって。

ルルちゃんのアイデンティティはドールヘッドに置いているので。身長が変わっても体がトルソーになってもルルちゃん。色んなルルちゃんが見られる。どのルルちゃんが本当、じゃなくて全てがルルちゃんで、これからも色んなルルちゃんが見られるよ、全部ルルちゃんだよっていう。

 

―その感覚は新しいなと思います。未来感があるけれど、今っぽさもあるというか不思議な感じがします

実は、何か可愛いものが出てきたぞ、というだけではなく、「新しいジャンルが来た」「何かすごいものを目撃している気がする」のような反応もまたよく頂きます。先述した「人形になりたい」の話が特徴的ですが、「ドールフェイス」には「アニメフェイス」の持っている物語とはまた違う方向性の物語も感じます。そういった側面がもたらす感覚じゃないかなと。

 

―新しい時代が来た、みたいな

今、丁度VR(仮想現実)やAR(拡張現実)が注目されている時代だと思うんですが、そのステージの『フィクションを現実に』が思いっきりリアルの造形方面から出てきたっていうのが面白いですよね。一切CG無しの非現実、というか。

 

―VR、AR、DRみたいな

Doll Reality、何かいいですね。DR。

 

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―次回、ルルちゃんに会えるとしたらどのようなイベントでしょうか?

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luluroomをまた開催したいですね。次はチェキも持ち込みたい。真っ白なフィルムに姿がゆっくり浮かび上がるのがロマンチックだから。現在開催場所を探しているので、全国の可愛いShopさん、ラブコールお待ちしております!

 

―今後どのような活動をされたいですか?映像でまた挑戦してみたい分野について教えて下さい。動いた時のインパクトがあるので是非映像作品で拝見したいです

まずファッションモデルとして活躍してほしいですね。ドールルックなブランドで誰もが憧れる理想そのもののヴィジュアルを見たいとも思いますし、彼女はドールとしてもかなり人間寄りの雰囲気に仕立てているのであえて原宿ストリート系のガーリーカジュアルを着こなしたアンビバレンツな姿が見たいとも思います。映像作品は夢ですね!可愛さを推した映像もですが、そもそもコンセプチュアルな存在なので、PVなどもいつか撮影したいです。あと、写真集も2冊企画中です。全部自分一人で!ではなく、ハンドメイドアクセサリーやアパレルの分野、ヘアメイク、カメラマンなど、既に各分野でオリジナリティ溢れる「可愛い」を突き詰めているクリエイター達と共により面白いことや素敵なものを仕上げてゆけたらな、と思っています。

 

 

 

【橋本ルル プロフィール】
初のドール着ぐるみファッションモデル。原宿発。素敵なお洋服と音楽が好き。無二の可愛さで先月デビューながら急ブレイク中。
Web:http://luluidoll.tumblr.com/
Twitter:@LULUiDOLL
instagram:https://www.instagram.com/luluidoll/【millna プロフィール】
服飾クリエイター millna 1993年東京生まれ。学生時代に0から制作活動を開始、地道に評価を重ね現在に至る。16年2月にデザイナーとして立ち上げたスウェットワンピースブランド『hakuchum tokyo』ではラフォーレ原宿へ期間限定出店を行う。多様なカルチャーの経験に基づく知識と技術、何より「好き」から大胆なコラボレーションを企画し、新たなかわいいを追い求める。Twitter:@mi_te_yo【hakuchum tokyo】

醒めながらの夢、『白昼夢』をコンセプトとするくつろぎ素材のグラフィックワンピースブランド『hakuchum tokyo』

2016/08/25まで通販受付中。

Web:http://shop.hakuchum.tokyo / Twitter:https://twitter.com/hakuchum_tokyo

 

 

by KUCHIKASEYA MOIRA